オステオパシー|硬膜の概念
カテゴリー:整体ブログ 公開日:2011年02月13日頭蓋骨矯正で自律神経・ホルモンバランスを整える大阪堺市/整体院エール 木村です。
こんにちは!
オステオパシーにおける硬膜の概念
について綴ってまいります。
本日、ご来院されましたTさん、12月半ばから、左股関節の詰まり感と右腰部と右頚部の疼痛で、当院に来られております。
この方、右の聴覚神経に良性腫瘍が出来ていた為、右後頭骨と側頭骨を切開し、無事、腫瘍を取り除いたんですが、その術後から、上記の症状が段々と顕著になって来られたそうです。
姿勢分析をすると、あきらかに左荷重(左骨盤後下方変位)のバランスであります。
次に足踏みをしてもらうと、顕著に右仙骨が下方へ下がってきません(左だけがカクッと下がる)。
これでは、左股関節にかなりの割合のウェイトがかかってしまいます。
当然の事ながら、左の骨盤や股関節周りの筋肉やじん帯はオーバーワーク。
ですが、この症状はあくまでも代償性のもの。
右の骨盤が下方にシフトしない事が原因であり、
さらにその原因は、右の頭蓋骨の切開した部分が根本原因になっているのだと思われます。
理由として・・・
- 側頭骨と腸骨
- 後頭骨と仙骨
- 頚椎1番と腰椎5番 *その他にも色々ありますが省略させていただきます
これらは、対の関係にあると私たちの整体業では捉えています。
また、オステオパシーと言う分野では、硬膜という頭蓋骨~尾骨にまで及ぶ膜を重視するのですが、
例えば、頚椎1番に付着する硬膜が歪みや癒着等の何らかの理由により制限があると、その制限がやがて、頭蓋骨~尾骨にまで及ぶ膜のどこか他の付着部である部位にまで制限を及ぼし、その結果、全然違う場所にまで障害を及ぼすという概念があります。
まさしく、Tさんの場合、
右側頭骨、後頭部の手術による瘢痕と骨の可動性の減少、後頭骨と頚椎1番の間の関節制限etc
それらが、右骨盤部にある硬膜までをも上方へ引っ張るような形で制限を起こし、
その結果、左右の骨盤にアンバランスが生じて左側へのシフト移動が顕著になられたんだと推測します。
左は可動性亢進、右は可動性減少
今現在、右腰部の疼痛は軽減されて来てはいるものの、
左股関節や右頚部の症状は、少し日持ちがする程度になったぐらいであります。
しかし、その程度の変化しかなくても、彼は根気良く、定期的に来院してくれます。
メスを入れてしまった為、制限を完全回復にまで至ることは難しいと思われますが、
その継続が、何らかの「変化」を及ぼすと僕は信じています。
どうぞ、その「継続」に賭けて見て下さいませ。